こんにちは。漆畑です。
昨年末ある雑誌社からの冬のワードローブをどんな風に揃えましたか?というような取材を受けて洋服棚をあれこれやっていたら、ふと自分は今年どんな眼鏡を買っただろうかと思い返しました。
というわけで、2016年私の「コレ買いました」ならびに「今コレ気になる」をまとめてみようと思います。
新しい眼鏡ワードローブのご参考になれば幸いです。
※画像について
度付きレンズになっているため、屈折の関係で像のダブリがあります。すみません。
2016買ったもの①
LINDBERG / SPILIT TITANIUM
いつかボストン型かラウンド型の縁なし眼鏡は作ろうと思っていたのですが、ようやく念願叶ってリンドバーグに落ち着きました。縁なしなら徹底的にミニマルなデザインがいいと思っていて、このモデルはテンプルのカバーを外せばもっとシンプルなシルバーの縁なし眼鏡にカスタムができます。リフレッシュと体力維持を兼ねて軽登山をするようになったものですから、自然の景観に馴染み、山に入る格好に合うものを考えたときに、リンドバーグの機能性と禅の境地のようなデザインコンセプトに共感しました。大活躍の一本となっています。
2016買ったもの②
TRIP / LAWYER-CE/AG
弊社オリジナルのサーモントスタイル眼鏡です。黒とかなり迷ったのですが、この色のサーモントはどこを見渡しても存在せず、企画会議で自分が押したカラーでもあったのでこちらに。
サーモントは思慮深いイメージの眼鏡ですが、この色はどこか飄々とつかみどころのない雰囲気になる色です。かといって奇抜というわけでもなく、何にでも馴染んでしまうのでユーティリティな眼鏡として活躍しています。頭のどこかにアンディー・ウォーホルの面影もイメージにあったと思います。彼が好んで掛けていたのはボストン型のフルリムですが色のイメージとして。
2016買ったもの③
Z-PARTS / Z119-TIB
昨年秋の展示会で発表されたダブルブリッジ眼鏡です。コレだよコレ!と思わずポンと手を叩いてしまいました。パイロットグラスを眼鏡仕様で掛けたいと以前から思っていたのですが、ヴィンテージなどを手にとって掛けてみてもどこかしっくりこなくて後回しになり続けていました。現代的な機能性がどこかにほしいと思っていたのかもしれません。パイロットグラスの面影があって、フルチタン製。レンズカーブも程よく、視野も広く取れる眼鏡なのでその機能性と美観を最大限活かすべく、今回はレンズもNikonの最上位のカスタムレンズを入れて使っています。ギア感とナード感、モード感、いろいろミックスされていて絶妙な微妙さを漂わせています。
最近眼鏡のトレンドが一方向に偏っていいたため、各メーカー独自性を出そうとプロモーションの仕方で差別化するようになりました。しかしそれがコストに反映されてしまうのもどうかと思いますし、モノで勝負というピュアな部分がおざなりになってはいけません。そういう意味ではこのブランドはプロモーションなどほぼ無く、美しいビジュアルイメージなども発信していません。だからこそプロの眼鏡屋が良いものを良いとジャッジし、着こなしまで提案する意義があると思うのです。着こなしという点から言えば、このようなパイロットグラス調のダブルブリッジは70年代を連想させます。流行りのブロックをしっかり作ったポマードぎとぎと系のアーリーアメリカンなバーバーヘアに合わせても悪くないのですが、ちょっとツッパリが効きすぎるかもしれませんので、ここはあえて脱刈り上げを目指す方におすすめしたいです。ウッドストックに集い、反戦と平和を叫んだ若者たちの時代のファッションを再構築して少し汚れたイメージ(ロン毛、フランネルシャツ、デニム、大友克洋初期短編の若者的な)を持っていただくのもいいですし、ミリタリーアイテムと組み合わせてギア感を楽しんでもいいかと思います。
今コレ気になる①
AHLEM / CONCORDE-ROSE GOLD
AHLEMの商品は全般的に気になっています。モノが持っている存在感はもちろんなのですが、日本の眼鏡店で初めて私たちが紹介する機会に恵まれたことで縁を感じているブランドです。また彼女のインスタグラムを見ていると社会派としての一面も持っていて、激動のアメリカ社会に身を置く1人として、また一児の母として眼鏡を通じて社会との関わり方を模索しているように思います。ただモノを売るのではなく、人との結びつきや、社会との関係を考えてビジネスができる人を尊敬します。女性が活躍する社会を目指している日本に住む1人として彼女のライフスタイル自体にも興味があり、今後の活動に注目したいと思っています。
今コレ気になる②
silhouette / SPX2901-41-6050
老舗中の老舗ブランド、シルエットの新作です。シルエットは眼鏡専門店の人気ブランドとして長く君臨していたオーストリアのブランドです。あまりにもメジャーに広がっているブランドなので、お洒落を標榜する眼鏡店でセレクトしているショップは少ないと思いますが、シルエットが眼鏡史に残してきた功績を考えたときに他のブランドにはない価値のあるブランドだと思います。何をセレクトするかがキモなのですが、本モデルはSPXという独自のプラスチック樹脂を使いつつ、ヨーロピアンミッドセンチュリー臭プンプンのボストンシェイプが魅力です。ある種の歴史と膨大にあるであろうアーカイブデザインの一端を感じさせるシェイプです。プラスチックでありながら限りなく細く、鋲も何もないミニマルさも美しい。追求するコンセプトも滲み出ています。
今コレ気になる③
The spectacle / American optical-FFV
10年以上前に購入し、まだ30そこそこの年齢の自分には眼鏡に負けていると感じたアメリカンオプチカルのヴィンテージです。そろそろ “寝かし” も充分になったのでローテーションに加えようと考えています。カジュアルに掛けるのではなく、セットアップで紳士的に掛けたいですね。年末に放送していた「東京裁判」という日本と海外の合作で作られたドラマを見ていて、登場する判事たちの眼鏡姿にインスパイアされました。デコラ神戸は今年17年め、東京店は10周年、お客様も同じく年齢を重ねておられると思います。ヴィンテージへのチャレンジもオススメです。
以上、コレ買った、今コレ気になるでした。
あと、岡部ブログでアナウンスさせていただきましたジャック・マリー・マージュのイベントも来週末から始まりますのでお見逃しなく。
→ JACQUES MARIE MAGE SPECIAL EXHIBITION
(プレス 漆畑)
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