こんにちは。漆畑です。
まもなく秋分。メガネ業界は展示会シーズンに入ります。
来週からは弊社の海外買付け部隊がフランスへ、国内の買い付けは先週からすでに始まっています。
アメリカントラッドやブリティッシュトラッドなど60年代前後のクラシックブームによって、プラスチックの黒やデミ系のウェリントン、ボストンがファッションアイテムとして定着し、そこから派生したコンビネーションフレームや、ここ数年でメタルフレームのボストン、ラウンドとおよそ一通りトラッドスタイルが提案されました。弊社ブログの読者様の中には、この中で複数のスタイルを所持されている方も多いことでしょう。
クラシックなスタイルは一過性のものではなく、定番アイテムとして浸透し、ファッションの一部として世代を超えて意図的に取り入れられるようになりました。ドメスティックデザイナーの活躍もめざましく、ファッション性の部分でも海外で高く評価されています。大げさに言えば感度的な部分で日本の夜明けを迎えた2000年代前半だったと思います。
さて、今後のトレンドはどうなっていくのでしょうか。
今月のはじめ、姉妹店のG.B.ガファスから弊社のオリジナルブランド「Trip」の新作モデルとして “TWO-TUCK” が発売されました。
連綿と続くファッション史の中で、眼鏡はどのような役割を果たし変遷してきたのか?アイウェアファッションのルーツ探しをテーマにしたTripが焦点に当てたのは80年代です。
DCブランド全盛時代のファッション感覚に影響を受けた現代的なストリートファッションに着目しました。肩からはみ出したオーバーサイズなトップス、テーパードされたルーズフィットのタックパンツなどが若者ファッションを席巻していて、そんなファッション感覚にフィットするデザインとなっています。(※詳しくはG.B.ガファス京都 岡田ブログを一読ください → Trip 新作発売 )
一見これは若者のトレンドように思えますが、大人のファッション誌にもその流れは見てとれます。ピチピチタイトな着こなしよりもゆったりサイズの方がおしゃれと提案している媒体は少なくありません。
60年代以前のトラディショナルデザインは、リーバイスの501やラコステのポロシャツ、ラルフローレンの紺ブレ、バーバリーのトレンチのような定番商品として安定したニーズとして存在し続けながら、モードの先端では80年代から90年代にかけてのアイウェアデザインがトレンドとして着目されるのは自然な流れかと思います。
80年代のアイウェアデザインの特徴としては、ブリッジが狭く、線は細め、天地幅が深い、プラスチックでもメタルでもその傾向があります。それからリムレスデザインや装飾性のあるテンプルも象徴的です。ラウンドやボストンなどの丸みを帯びたメガネの反動から一部ではスクエアシェイプへの関心も高まるかもしれません。
80’s当時、アイウェアデザインにおいてキャスト技術が発達し、さまざまなモチーフがテンプルにあしらわれました。それこそ水道の蛇口や、カメラのシャッター、貝殻、イヤリングなど新しい技術を誇張するかのごとく個性的な造形がたくさん存在しました。さすがにそれがそのままリバイバルされるとは思いませんが、現代的な感性でアップデートされ、新しい技術で応用されるかもしれません。傾向として無駄を削ぎ落としたミニマルデザインがさまざまな生活の中で好まれておりますので、そんな感覚がバランスよく取り込まれていくはずです。3Dプリンター技術などもさらに進化していくでしょう
売り場では世界中の高感度なアイウェアに加え、FISH&CHIPS、Trip、Hitsvillなどオリジナルブランドも充実してきました。
ZOZOをはじめECサイトのオリジナルスーツやシャツ、コンビニエンスストアのメーカーを凌駕するハイクオリティで高コスパなPB商品など小売の企画開発力がとても高まっている現在、高品質で高コスパな商品は消費者の大きなニーズといえます。
私たちはセレクトショップですが、希少価値の高いこだわりの逸品と並行して、オリジナル企画についても今以上に考えていく必要があるかもしれません。
長年売り場に立ち、お客様のリアルな反応をみてきた私たちだからできることがあるはずです。
さて、どんな仕入れになるか?報告をお待ち下さい。
(プレス 漆畑)
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