こんにちは。デコラ東京の漆畑です。
今日はめんどうな眼鏡のお話です。
先日弊社姉妹店G.B.ガファス京都店の岡田がフチなし眼鏡に関する一考察をアップしていました。
2019 / 08 / 21 G.B.Gafas KYOTO 岡田ブログ 「フチナシ眼鏡に関する私見」
私たちが密かに注目しているフチなし眼鏡ですが、この眼鏡は少々厄介な眼鏡なのです。
何が厄介なのかというと、作るのがなかなかめんどくさい。。
しかし、そこがミソでもあります。
現代の眼鏡加工は加工機の精度やスピードが昔に比べ格段に良くなっていますので、フチがある眼鏡の場合、数値入力などの設定を覚えればレンズのカットが早く綺麗にできます。
質の高い眼鏡にするためにはさまざまな数値設定のノウハウが必要ではあるのですが、オートメーション化されたものなので一度ラインに乗ればスムーズに仕上がります。
ところがフチなし眼鏡はそうはいきません。
レンズのカット後、穴あけ、組み立てという作業があります。
これがかなり繊細でハンドメイドな作業なのです。
なぜロープライスの量販店にはフチなし眼鏡がラインナップされないのかといえば、この手作業工程があるからに他なりません。
効率化とは真逆の眼鏡である為、忌み嫌われているめんどくさい眼鏡なのです。
では、そのめんどくさいフチなし眼鏡を分解してみましょう。
解剖に使うこちらはYELLOWS PLUSのARNELLというモデルです。
YELLOWS PLUS/ ARNELL ¥34,000(+tax)
レンズ片眼分だけバラしました。
レンズを固定するネジ周りのパーツはこんなにも細かく複数あるのです。
各ワッシャー、ナット類は重ねる順番もあり、ハンドドリルを使って精度よく穴あけするのはとても神経を使います。
お客様によってレンズの厚みやカーブが違うため、それらを考慮した角度で正確に穴をあけ、ワッシャー、ナットをセットしていきます。
どうです?
なかなかめんどくさそうではないですか?
80年代から90年代初期頃にブームがあったフチなし眼鏡。
元ヤクルトスワローズの古田さんなどもテレビCMでフチなし眼鏡を宣伝していましたね。
遡るとフチなし眼鏡のルーツはヴィンテージにあります。
繊細で優美な30年代から40年代の米国製の眼鏡デザインがその元にあり、以来様々なスタイルのフチなし眼鏡が生まれました。
オーストリアの老舗ブランドのシルエットやデコラでも馴染みが深いデンマークのリンドバーグなどもその代表です。
数あるフチなしデザインの中でも私たちがとくに注目しているのはクラシックなスタイルです。
クラシックなフチなし眼鏡を当時の雰囲気を宿しつつ現代的にアップデートした眼鏡。
あったらかっこいいはずです。
岡田ブログにあったように、いくつかのブランドはそこに目をつけています。
Jacques marie mageから発表された新作フチなしコレクション。
レンズが非常に分厚いのが特徴。入荷未定の商品です。
なんせめんどうな眼鏡なので一大ブームになることはないかもしれませんが、差別化できるスタイルであることに疑いはありません。
一歩踏み込んだ大人のスタイルとして、控えめでありながらエレガントなスタイルであるフチなし眼鏡にちょっと注目してみてください。
(プレス 漆畑)
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