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現代アイウェアファッション史のターニングポイント

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 26

August.

2020.

こんにちは。漆畑です。

 

いよいよ今週28日より「JULIUS TART OPTICAL」の取扱いがスタートします。

 

すでに姉妹店でも取扱いしているブランドですので、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

 

JULIUS TART OPTICALの前身となるTART OPITICALの存在は、日本のアイウェアファッション史においてとても重要で、現在の成熟したアイウェアカルチャーはこのブランド抜きに語ることができません。

 

 

往年のジュリアス・タート氏

 

皆さんよくご存知のファッションアイコンであるジョニー・デップ氏(以下敬称略)は当時人気絶頂のハリウッドスターで、ビンテージ好きとしても知られていました。

 

2005年前後と記憶していますが、ジョニー・デップが映画やプライベートで掛けていた眼鏡がファッション好きの目に止まり、彼が掛けている眼鏡はどこの?という問い合わせが当時私たちショップでも日を追うごとに増え、ある種の謎解きのような期間がありました。

 

それがTART OPTICALのARNELというモデルであったことは後にわかる(ジェームス・ディーン信者であったジョニー・デップが、彼に憧れてビンテージのARNELを買い漁っていた説)のですが、これが境となり、以後アメリカンビンテージに注目が集まります。

 

 

 

The spectacle TART OPTICAL ARNEL 46/22 ¥134,000(+tax) ※ビンテージ

 

 

当時は軍のサプライヤーを経緯とするアイウェアメーカーが多数あり、ミルスペック規格に沿って同じ図面を共有しており、また商標が未発達な時代ということもあって、他社と酷似したモデルが多数存在していました。同じ時代、MOSCOTなども活躍したアメリカブランドですが、酷似したモデルがあるのはそのような背景があるからだと考えられます。ジョニー・デップも様々なビンテージアイウェアを所有していたと思われますが、とくに好んで掛けていたのがARNELで、映画『シークレットウインドウ』でブラウンクリスタルカラーを掛けていたのが印象に残っています。

 

ARNELは誰にでも似合う非常にバランスのとれたボストンウェリントン型で、当時豊富なサイズ展開があったこともあり、たいへん人気を博しました。しかし時代とともにコピー商品やそれに対する戦略の遅れ、そしてトレンドの変化などの要因でTART OPTICALは衰退、やがて消滅します。

 

しかし長い月日を経て、一部のマニアのためだけの関心であったTART OPTICALは、アイコニックなスターの着用をきっかけに再び注目されるようになったのです。

 

日本で雑誌メディアがウェリントンやボストン型の眼鏡を特集しはじめたのは2007年から2008年頃。ちょうどリーマンショック期です。不景気の時はコストが抑えられるプラスチックフレームが流行ると言われており、トレンドを下支えする社会情勢も追い風となって、アメリカをルーツとするプラスチック製のビンテージデザインは日本をはじめ、香港、台湾、韓国などアジアのファッション先進国を皮切りに波及し、やがて国や時代に限らず世界的なビンテージスタイルの隆盛に繋がっていきます。

 

 

 

2008年の眼鏡Begin

 

 

 

ジョニー・デップのワードが表紙に

 

同時期、オリバーピープルズの復刻ライン生産、オリバーゴールドスミスの復活、トムブラウンのアイウェアライン登場など、トレンドの変化を象徴する出来事がさまざまありました。

 

バッグや時計、家具などにはいつの時代も長年愛され続けている名品があり、眼鏡にもそれは存在します。例えばレイバンのウェイファーラーやペルソールの649などが代表です。ただその数やバリエーションは圧倒的に少なく、また日本ではファッションの優先度として眼鏡は低く見られていた時代が長かったですし、その視点にも掛けていました。ましてビンテージアイウェアをファッションとして身につける感覚は一部の愛好家に限られてもいました。

 

ジョニー・デップのファッション感覚はある種の“気づき”を与えるきっかけになり、一時的なブームとして終わることなく、新しいスタンダードのあり方を提示することになりました。一人のアイコニックなスターのスタイリングが古き良きデザインへの回帰ともいえる機運を呼び込んだのです。

 

事実、今日では皆さん気がつかないうちにビンテージデザインがモチーフになっている眼鏡を、それがそのようなルーツであると知っていようがいまいが自然と取り入れられているのではないでしょうか。

 

そんなアイウェアファッション史のまさにターニングポイントとなったきっかけがTART OPTICALであり、消滅してしまったTART OPTICALの創業者ジュリアス・タートの甥にあたるリチャード・タートが保管していた当時の図面をもとに、ハイクオリティな日本生産で復刻しているのが今回デコラ東京でスタートするJULIUS TART OPTICALです。

 

 

 

 

 

メーカーの協力を得て、スタート1ヶ月はほぼフルラインでご用意できることになりましたので、この機会にJULIUS TART OPTICALの世界観をご覧になってください。そして永遠の定番をぜひワードローブに。

 

各モデルの詳細につきましては好評運営中のオンラインショッピングサイトにてご確認いただけます。

→  decora / G.B.Gafas ONLINE SHOP  「JULIUS TART OPTICAL」

 

 

 

(プレス 漆畑)

 

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