こんにちは。デコラ東京 岡部です。
漆畑の PART.1 に続き本日はジェイ・オーウェンズの情熱の賜物であるフレームにスポットを当てたいと思います。
私達の衣食住に関わるアイテムの中で“ヴィンテージ”と呼ばれるものには希少価値はもちろんのこと、その風合いや背景にある語り尽くせぬほどのストーリー等々なんとも言い難い魅力を持っています。これはメガネにおいても同様です。
眼鏡愛好家には様々な眼鏡を手にしてきた中でその魅力に惹きつけられ、最終到達点としてヴィンテージに辿り着く方もいらっしゃいます。
私も眼鏡のルーツとなるヴィンテージには興味を惹かれ、ザ・スペクタクルも当然所有しています。当時のスペックですので掛けるときは気を遣いますが、眼鏡の歴史そのものを身に着けている至福感と鼻に掛かるマテリアル特有の重さはなんとも言い難いものがあり、いつもこの感触を噛み締めながらフロアに立っています。
ザ・スペクタクルにおける最大の魅力はアメリカ眼鏡史の中で最も栄華を極めた時代であったことを象徴する贅沢に金を使用した厚貼りと宝飾職人による繊細な彫金です。こと彫金の素晴らしさには目を見張るものがあります。
私が初めてザ・スペクタクルのフレームを手に取った時、当時のスペックを見事なまでに再現されたフレームにレトロスペック社の技術はここまでレストアできるものかと驚愕したことを今でも覚えています。現代のプレスによる彫金やレーザーのエッチングと比較いただくと、その堀の深さや複雑なパターン、1本1本彫金の模様が異なることにも驚かされます。非常にパーソナル色の強い1本となることでしょう。
イベント当日はプラスチックフレームも並びますが私としてはこのジャンルの醍醐味は何といってもメタルフレームかと思います。ほんの一例にはなりますが当日ご覧いただけますメタルフレームをご覧いただきたく思います。
Numont(ニューモント) ¥65,880(税込)
1930年代。鼻側1点のビスと板バネを使用してレンズをホールドします。レンズに直接負荷が掛からないような工夫が行われており、現代のワンポイントと呼ばれるスタイルの元になるものです。レンズ背面のバーはレンズの形状に合わせて加工してゆきます。
Full Flame (フルフレーム) ¥65,880(税込)
1930年代。30年代に入るとフレームの造形にも変化が見られるようになります。ヒンジの位置が視界に入らないようサイドマウントから上方に移動します。フルビューと名付けられました。
Rimway (リムウェイ) ¥65,880(税込)
1940年代。レンズの安定性を向上させるためにレンズを鼻側と耳側の2点で止め且つバックバーを配すことにより、スリーピースやニューモントよりも剛性を持たせたせることができたのではないかと思います。
Bar Bridge (バーブリッジ) ¥78,840(税込)
1940年代。ノーズパットの登場により、ブリッジがレンズのセンター位置であることの必要がなくなり、デザインにも幅が生まれます。リムウェイのスタイルにブリッジ位置をトップに配置。鼻周りがすっきりするモダンなデザインです。
Sir Mont (サーモント) ¥78,840(税込)
1940年代後半~60年代。この頃になるとプラスチック製造技術の隆盛と共に眼鏡にも応用されるようになります。以降は眼鏡のデザインは飛躍的に進化していきます。ちなみにこちらがデザインとしては世界初のアメリカン・オプティカル社のサーモントです。
今回届くフレームの中には非常にレアなアイテムも含まれており、ビンテージファンにとっては見応えもありそうです。
ビンテージの世界に初めて足を踏み入れる方にとっては眼鏡の奥深さに感銘を受けることでしょう。
Full Flame-Saddle Sidemount(フルフレーム・サドル サイドマウント) ¥1,128,600(税込)
1920年代中頃の眼鏡はクリングス(ノーズパッド)が無い、サドルブリッジ(一山)タイプのものがあります。現在デザインされている一山タイプ眼鏡の祖となるフレームです。
3piece (スリーピース) ¥878,040(税込)
こちらは1920年代後期のものです。当時はまだプラスチックレンズ製造技術は開発されておらず、このようなモデルにもガラスレンズを用いていました。注目点はノーズパットです。よくご覧いただきますとパットの部分がクリングスパーツと一体になっています。非常に興味深いですね。
本日ご紹介しましたスペシャルなモデルに添付されるレジストレーションカードには他のものとは少し異なる特別な表記が行われています。
「1 of 5」 通常のカードにはこの表記が付いておりません。この表記が意味するところはもうお分かりですね。価格等はスタッフまでご質問下さい。
The Spectacle vintage eyewear special showcasing
12/4(月)~12/17(日)@decora TOKYO
間もなく開催です。
Vivtory 号。全てはこのキャンピングカーと彼の情熱から始まりました。
(decora TOKYO 店長 岡部)
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