こんにちは。decora KOBE大槌です。
神戸も梅雨明けし、本格的な暑さとセミの声がより一層夏本番が来たことを感じさせます。
この暑さにもかかわらず、多くの方々が「DITA & THOM BROWNE. – AMERICAN LUXURY EYEWEAR EXHIBITION – 」にご来場頂き、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
さて、今回は一見するとわかりにくいことですが、眼鏡を作る上で重要なことを書きたいと思います。
この度のDITA、THOM BROWNEをはじめ、弊社のセレクトしているブランドはそれぞれが独自の世界観を持っています。そのオリジナリティを表現するために、デザイナーたち造り手の方々は日々デザインを練り、練り上げたデザインをどのように形にするかを試行錯誤しています。
私達はそうやって出来あがった結晶とも言うべき作品の背景を知り、ユーザーの方へ伝えていく事が大事だと思っています。
その世界観を損なわず、長く快適に眼鏡をご使用頂く為の、日々私達が行っている加工の裏側を少しご紹介します。
<ヤゲン調整>
レンズの周りを枠が囲っているフレームはレンズが外れないように、レンズ側面を山型(ヤゲン)に削ります。
このヤゲンを度数やレンズカーブ、フレームの構造に合わせて加工します。特に強度の方は第三者から見られたときのレンズの厚みの印象が変わります。左側の写真はフレームよりも前方にレンズが出ている為、他の方から見たときのレンズが厚く見えます。右側の写真のようにフレームにレンズの前面を合わせるときれいです。
<サイズ調整>
「単純にレンズが動かないよう大きく加工すれば良いのでは」と思われるかもしれませんが、微妙なサイズの違いでフレームには負荷がかかり、レンズにも歪みが発生します。
※レンズが白くなっている所が歪みです。
この歪みは通常目に見えるものてはありませんが、レンズには常に圧力がかかっています。この状態が長く続いてしまうとレンズコーティングの劣化を早めてしまいます。また、レンズの形状が圧力により変形し、光学的にも影響を及ぼします。
この歪みを最小限に抑えるために、フレームとレンズカーブをなるべく合わせ、レンズサイズの調整をします。単純にサイズだけであれば、加工機でも修正も出来ますが、残しておきたい部分まで削れてしまう為、最後はやはり手作業での調整が必要となります。
<ミゾ面取り>
ステンレスのプレートやチタンのワイヤー等を使用したフレームはレンズの側面に溝を切り、その溝にフレームが収まります。
フレームに負荷がかかると、その負荷はレンズにも伝わってしまい、溝が欠ける恐れが有ります。
そのレンズの破損を最小限に抑えるために、溝内側の角を面取りをします。
見た目には全く違いがわからないような作業ですが、するとしないでは大きな違いがあります。
「神は細部に宿る」という言葉があります。
デザイナーの意図を損なわないように、また快適に長くご愛用頂けるように細部にまでこだわっていきたいと思います。
(decora KOBE 大槌)
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