こんにちは。デコラ東京 岡部です。
あと少しで神戸店の「LUCAS de STAEL French Luxury Eyewear Showcasing」がスタートします。
東京店も早く開催したいのですが関東エリアのお客様はもう少しの間お待ちくださいませ。
LUCAS de STAELのフレームには複数の素材が使用されています。
LUCAS de STAEL の魅力は素材感にあると思います。レザー、石、木、ガルーシャなどを使用した眼鏡はどの素材も触り心地が良く、使い込むほど味が出て独特な風合いに育ってゆきます。
この育てる感覚はなかなか他の眼鏡にはない感覚かと思います。
本日はそれらの素材の中から「石」と「木」についてご紹介さていただきたく思います。
LUCAS de STAELが採用するカラー展開の中でレザーやガルーシャは染色を行なっており、発色の良いカラーも作られています。
これに対しして石や木を使用するモデルは色付けを行わず素材そのままの色を活かしています。この色味と質感がとても良いのです。カラーバリエーションも豊富にあり、コレクションによってカラー展開が異なります。本日は少し理科の時間のような話も出てきますが最後までお付き合いください。
まずはウッド材のバリエーションです。
一部のウッド材を除き共通するのは重硬で木材の中でも強度が高く、その硬さから加工難度がとても高いことが挙げられます。これ以外の特徴を記してゆきます。
<oak(オーク)>
日本では樫の木を指すことが多いのですが、ナラの木もオークと呼ばれています。ヨーロッパにおけるカシ類の分布は南ヨーロッパに限られており、イギリスをはじめとする中欧・北欧に分布するオークは、日本では植物学上ナラ(楢)と呼ばれているものがほぼだそうです。
Oak
Smoked oak
<Rose wood(ローズウッド)> マダガスカル産
日本では紫檀(シタン)とも呼ばれています。耐虫害性や耐候性があり腐敗せず長持ちすることから古代より家具、仏具、楽器などに使用されています。近年は高級家具や高級楽器メーカーが頻繁に使用されるため価格が上昇しており年々高級化してきています。
<Walnut(ウォールナット)> ヨーロッパ産
胡桃(くるみ)の木です。原産地はヨーロッパ南西部からアジア西部が主となり、北半球の温帯地域に広く分布しています。特に有名な産地としては北アメリカやカナダが挙げられます。チークやマホガニーと共に世界三大銘木の一つに数えられています。狂いが少なく落ち着いた色合いと重厚な木目が特徴です。
<Amaranth(アマランス)> 南アメリカ産
パープルハート材と言ったほうがピンとくる方は多いかもしれません。家屋の内装や床材に使用される木材の呼称の一つです。伐採時直後は褐色なのですが、大気にさらされ紫色に変化していき、加工後は紫外線等により落ち着いた茶色に変化していきます。
<Wenge(ウェンジ)> アフリカ産
リップルマークとよばれるさざ波のような木目が特徴的なアフリカ産の木材です。その特徴的な木目と強度から、高級なテーブルやフローリング材として使用されているため希少な木材となっています。磨耗性も高いことでギターのネックや指板材に用いられ重厚な中低音を響かせます。
<Maple(メイプル)> カナダ産
樹液は砂糖やシロップ加工されるカエデ科の木材。細やかな肌目は削る際に逆目がおきやすくデリケートな素材なのですが衝撃性には強く、ベースボールのバットに使用されたりボーリング場のレーンやピンにも使用されたりします。
<Padauk(パダック)> 中央アフリカ産
中央アフリカ降雨林地帯に生育し、樹高は30メートルにも及びます。伐採時は鮮やかな朱色をしていますが、紫外線ににさらされると退色して味が出てきます。曲げの加工にも耐性があり乾燥後は素材そのものの劣化が少なく耐腐食性も良い素材です。カウンター材としても人気の素材です。
<Cork(コルク)>
主に地中海沿岸に生育しているコルク樫から採取されます。他の木材と異なるのは樹皮を使用する点です。水・油・腐敗に強く、燃えにくい素材で独特な弾力性があり、しっとりとした質感が特徴です。2000年以上も生活用品や工芸品に用いられ、耐衝撃性・絶縁性などから、工業的にも重要な役割を果たしています。
続いてストーン材のバリエーションです。
岩石には生成の過程により、
・火成岩 : マグマが冷え固まり結晶化したもの
・堆積岩 : 砂利や砂、粘土、生物の遺体(サンゴ・貝殻・植物)などが水流や波、風などによって湖や海底に運ばれて積もったもの
・変成岩 : 火成岩や堆積岩などの地層が地殻変動にともなう熱の圧力を受けて再結晶化し、変質したもの
上記の3種類に大別されます。
LUCAS de STAEL に使用されているストーン材は主にインドとトルコ産となります。
<Slate(スレート)>
変成岩に属するもので日本では粘板岩と呼ばれています。
スレートのは一定方向にのみ割れやすいという性質があります。これを「へき開」といい、スレート材の大きな特徴です。割れやすいと聞くと不安に思うかもしれませんがこの性質をうまく利用すれば容易に薄く板状に加工ができ、他の石材よりも曲げ強度は高い素材です。
Magma slate
Striped slate
<Granite(グラニット)>
火成岩の一種、花崗岩(かこうがん)。石材としては御影石(みかげいし)とも呼ばれ高級石材の一つです。
風化に強く耐圧強度にも優れており古くから建築石材としてよく用いられています。石に含まれる成分の違いや割合によって、産地が同じでも色や模様が異なり、手に取ると石に含まれる結晶成分がラメのような美しい輝きを放っているのが見て取れます。
Dark granite
Granite copper
<Quartz(クォーツ)>
石英。無色透明、六角柱状に結晶化したものを水晶と呼びます。他の石材とは少し異なる艶を持つ素材です。石英は火成岩・変成岩・堆積岩のいずれにも含まれており、外部から力またはひずみを加えると表面に電荷が現れ(圧電気性といいます)るため光学,理科学器具,ラジオの発振器などに用いられています。掛けてもピリッとはしませんのでご安心ください。
Quartz
Granite quartz
Magma quartz
<Schist(シスト)>
シスト(結晶片岩)は変成岩の一種です。スレートと同じように薄く割れやすい性質を持ちますがスレートよりも鉱物粒が荒く一定の方向に配列しているのが分かりやすいのが特徴です。白っぽいカラーですが少しグレーがかっていますので意外と掛けやすいと思います。
Pearl schist
少し長くなりましたがいかがでしたでしょうか。
同じ素材でも産地や生成される条件によってこれだけ種類が分かれるのです。今回自分で素材について調べていくうちに、これだけの素材を全て眼鏡にしてしまうLUCAS de STAEL スタッフの職人気質と情熱には頭が下がりました。
マテリアルに関してはこれらにプラスしてまだレザーとガルーシャもあるというのですからこのイベントは一見の価値ありです。
デコラ東京でもこれだけの種類のレアマテリアルが集まるイベントは初めてです。
東京は月末の開催となりますがサンプルの到着が楽しみです。
(decora TOKYO 店長 岡部)
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