現在当店にてヴィンテージフレームの特集コーナーを設けています。
時計や服、車などあらゆるモノにヴィンテージというジャンルがあるかと思います。ヴィンテージを調べていくと歴史・ストーリー・ディテール・蘊蓄など奥の深さに驚かされます。その奥深さ故に何処から始めれば良いのかわからなくなるかもしれません。
眼鏡のヴィンテージも例に漏れず、様々モデル・ワードが並びます。スリーピース、ニューモント、フルビュー…挙げるときりがありません。詳しくは当ブログにて何度かスペクタルをご紹介していますので、一度目を通して頂ければと思います。
2017.11.15 漆畑ブログ 「The spectacle vintage eyewear special showcasing ~PART.1 The story」
2017.11.29 岡部ブログ 「The spectacle vintage eyewear special showcasing ~PART.2 Fascinating frames」
ではどのモデルから始めるのが個人的にオススメかをご紹介したいと思います。
私のオススメモデルはリムウェイです。
私自身、最初に購入したヴィンテージフレームはリムウェイでした。(そのため思い入れがあるのかもしれません。)
BRAND:THE SPECTACLE / SHURON
MODEL:RIMWAY FUL-VUE
PRICE:¥61,000(+tax)
リムウェイは、1940年代に生まれたリムレス(縁無し)のモデルになります。他のリムレスフレーム「ニューモント」「スリーピース」と大きく異なる点は、レンズの裏側にメタルリムを配置し鼻側、耳側の2点を固定している点です。
この2点を固定しているため、レンズの不必要な動きを抑え光学的な安定感を達成しています。また不必要な動きが生じないためリムレスフレームで生じやすいネジの緩みがおきにくい構造となっています。実際、私のリムウェイも購入して15年以上経っていますが、レンズ留めのネジが緩んだことはありません。
またデザイン面からみてもお勧めです。
レンズの裏面を通っているメタルの金張りの光沢感が上品なアクセントになります。そして現行のブランドからリムウェイは発表されることは稀です。そのためリムウェイというモデル自体がヴィンテージを強く感じさせてくれます。
ここからはリムウェイに限らずの話になりますが、ヴィンテージフレームの多くはベークライト製のノーズパットを使用しています。このベークライトは1909年に人類が初めて作った合成樹脂になります。現行の眼鏡にはないベークライトの風合いは、ヴィンテージの雰囲気を更に高めてくれます。またセルフレームとは違いクリングスがついていますので、掛け心地の調整も柔軟に行うことができるのも嬉しい点です。
そしてヴィンテージメタルフレームを語る上で彫金は外せません。
これらの彫金は、世界恐慌により職を失った金細工職人(本来なら貴金属に施されるような繊細で美しい彫金を施すことが出来る職人)によって施されています。そのためこの時代は、「最も美しいと呼ばれる眼鏡が作られた時代」と呼ばれています。一つ一つ個性溢れる美しい彫金模様には惹き込まれます。
フレームにも刻印されていますが、こちらのモデルは、「1/10 12k GF」と表記されています。この表記は、「地金10割の重量に対して一割の重量が12KのGF(Gold Filled=金張り)」ということを意味しています。現在では珍しい金張り(金箔を直接貼り付ける製法)ですが当時のメタルフレームでは一般的な手法となります。今から考えると大変贅沢な作りとなっております。
リムウェイは、歴史あるデザイン、ディテール等が満載な上に光学的にも優れたモデルです。そしてこの貴重に思えるモデルもTHE SPECTACLEではレギュラーコレクションと位置付け数多くコレクションしています。そのためTHE SPECTACLE中では比較的手が入手しやすいコレクションとなっています。(中には大変貴重なモデルもあり10万円を超えるモノもあります)
当店のヴィンテージフレームは全てTHE SPECTACLE社のコレクションとなります。様々な形でヴィンテージフレームは日本に入ってきていますが、THE SPECTACLE社のモノは他と一線を画している点があります。それは「デッドストック」(未使用品)のフレームをコレクションしている点です。さらに独自のレストア技術によって磨き上げられているため、新品と見間違えるほど綺麗です。当時の眼鏡を当時と限りなく近い状態で現代の私たちに届けてくれているコレクションは、大変貴重なものといえるかと思います。皆様も1940年代のアメリカにタイムスリップした気持ちで楽しんでみてください。
(decora TOKYO チーフ 木村)
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